はじめに
両手投げ歴10年・公認大会参加経験のある筆者が、両手投げで最も難しいスペアのひとつ「10ピン」の攻略法を解説します。
ボウリングの両手投げをやっていて、こんな経験はないでしょうか。
- 10ピンが残ると「また外した」が頭をよぎる
- 思ったよりボールが左に流れて取り切れない
- 直球で狙うと今度は回転がかかってしまってコントロールしにくい
10ピンは右投げにとってレーン右端に残る最難関スペアです。片手投げでも難しいのに、自然に左へ曲がる両手投げでは「そもそも届かない」と感じている方も多いはずです。
この記事では「直球ではなく曲げて取る」アプローチを、初心者から中級者まで使えるよう段階的に解説します。
なぜ両手投げで10ピンは難しいのか
まず原因を正しく理解することが大切です。
①ボールが自然に左へ曲がる 両手投げ(特にサムレス)は回転軸の関係で、ボールは右から左へ弧を描きます。つまり、ボールの動きと10ピンの位置が真逆の方向にあります。
②右端のピンへの入射角が取りにくい 10ピンは1番ピン(ヘッドピン)から見てレーン最右端のボード1〜3付近に立っています。曲がり系のボールで右端に向かうには、レーンの左サイドを大きく使う必要があります。
③オイルが少ないエリアを通過する レーン右端はオイルが薄く、摩擦が大きいため予想以上にボールが曲がるケースがあります。これが「届いたのに左に流れた」の正体です。
曲げて取る:基本の考え方
「直球で狙う」が一般的なセオリーですが、両手投げで直球を投げようとすると、リリースを大きく変える必要があり再現性が下がります。そこで「曲げてピンに正面から当てる」ラインを覚える方が、両手投げの動きをそのまま活かせて安定します。
基本コンセプト:左から右へ横断し、10ピンに正面から当てる
ボールをレーン左サイドから出し、右端へ向けて斜めに横断させ、オイルが切れたところで右へ向くカーブを使って10ピンに正面から当てにいくラインです。
ポイントは「曲がりすぎて左に流れない」角度の管理です。
立ち位置・スパット・ライン
基本セッティング(右投げ・サムレス基準)
立ち位置:ボード35〜40付近(レーン左サイド) 普段のストライクラインより大きく左に移動します。最初はボード38あたりから試してください。
スパット(目標矢印):右から2枚目の矢印(ボード5付近) いつも使う矢印より右側を狙います。右端の矢印か、その1枚左を通すイメージです。
ボールの出口(イメージ):ボード8〜12あたりからスタート スパットを通過したボールがレーン右側へ向かい、オイルの切れ目でわずかに左へ戻りながら10ピンに正面から当たるラインを描きます。
調整の基準
| 結果 | 調整方法 |
|---|---|
| ボールが10ピン手前で左に流れた | 立ち位置を1〜2枚右へ |
| ボールが10ピンを右に外れた | 立ち位置を1〜2枚左へ |
| 届くが薄く当たって弾かれる | スパットを1枚左にしてアングルを立てる |
| ボールが早めに曲がりすぎる | スピードを少し上げる、またはボール表面を磨く |
リリースの調整
曲げて取るといっても、ストライクと同じリリースをすると曲がりすぎて左に流れます。以下の2点を意識してください。
①スピードをやや上げる スピードが上がるとボールの曲がりが抑えられ、ラインが安定します。歩幅を少し大きくするか、ラスト2歩を少し速めにするだけで効果があります。
②手のひらをやや外向きに(カップを浅めに) リリース時に手のひらが内側を向きすぎると回転が強くなりすぎます。手のひらをボールの外側に向けるイメージで、カップを浅めに保つと回転数が抑えられてラインが穏やかになります。
今日からできる練習メニュー
ステップ1:2歩助走でラインを確認(10分)
立ち位置とスパットを固定し、2歩助走でボールを転がしてラインを体に覚えさせます。結果より「スパットを通過したか」だけを確認してください。
ステップ2:通常助走で5投連続(10分)
同じセッティングで通常の助走に戻します。5投して3本以上10ピンに当てられれば合格ラインです。当たらない場合は立ち位置を1枚単位で調整します。
ステップ3:ヘッドピンと10ピンを交互に狙う(10分)
実戦に近い感覚を作るため、1投目(ストライク狙い)→2投目(10ピン狙い)を交互に繰り返します。立ち位置の切り替えを素早く行う練習にもなります。
よくある失敗と修正
失敗①:左に流れて取れない 原因:オイル切れでボールが早めに曲がっている、またはスピード不足。 修正:スピードを上げる。ボール表面を2000〜3000番で軽く磨いてスキッドを伸ばす。
失敗②:右に外れる 原因:立ち位置が右すぎる、またはスパットを左に外している。 修正:立ち位置を1〜2枚左へ。スパットの通過を動画で確認する。
失敗③:薄く当たって弾かれる 原因:入射角が浅すぎる(ボールがピンをかすめる角度になっている)。 修正:スパットを1枚左にしてアングルを立てる。立ち位置は変えない。
失敗④:毎回バラつく 原因:立ち位置が毎回微妙にズレている、またはフィニッシュが安定していない。 修正:足の基準板(ドット)を必ず確認してから立つ。フィニッシュ2秒静止を徹底する。
FAQ
Q. 両手投げで10ピンはサムありとサムなし、どちらが取りやすいですか? A. サムありの方がリリース時の回転コントロールがしやすいため、10ピンに限ればサムありが有利という考え方もあります。ただし、サムなしでも本記事のラインを習得すれば十分取れます。無理にサムありに切り替えるより、普段のリリースのままスピードと立ち位置を調整する方が再現性は上がります。
Q. ハウスボールでも同じ方法は使えますか? A. ハウスボールは表面が硬くほぼ曲がらないため、本記事のラインは使いにくいです。ハウスボールでの10ピンは立ち位置を左に取り、できるだけ直線に近いラインで狙う方が現実的です。マイボールを使っている方向けの内容です。
Q. 10ピンを取るために専用のスペアボールは必要ですか? A. 必須ではありません。ただし、大会やリーグで確実性を上げたい場合は、曲がりが少ないポリエステルボールを1個持っておくと選択肢が広がります。普段のマイボールで取れる再現性があるなら、スペアボールへの投資は後回しでOKです。
Q. レーンによってラインが変わることはありますか? A. あります。特にオイルの量や塗り方によって、ボールの曲がり始めの位置が変わります。同じ立ち位置でも外れる場合は、まずスピードを調整し、それでも合わなければ立ち位置を1枚単位で動かしてください。
まとめ
- 両手投げで10ピンが難しい理由は「ボールの自然な曲がりと逆方向にピンがある」から
- 直球より「左から横断して曲げて当てる」ラインの方が両手投げの動きと合う
- 立ち位置はボード38付近、スパットはボード5付近が基準
- スピードをやや上げ、カップを浅めにすることで曲がりを抑えてコントロールする
- 外れた方向で調整は1枚単位、フィニッシュ2秒静止で再現性を高める

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