ウレタンボールは現代のボウリングにおいて、あえて使うことで戦術的に大きな武器となるカバーストックです。特にPBAやスポーツコンディションでは、両手投げプレイヤーが積極的にウレタンを使う場面が多く見られます。しかし、「ウレタンは難しい」「曲がらない」「暴れる」といった声も多いのが現実。
この記事では、両手投げプレイヤーがウレタンを使いこなすためのポイントを、理論と実戦の両面から解説します。
Contents
🔍 ウレタンの特徴を再確認
ウレタンボールはリアクティブレジンと比較して:
- オイル上で滑りにくく、摩擦が強い
- フレア(軌道幅)が小さく、同じ軌道をトレースしやすい
- エネルギーの放出が早く、ピン前でのキレは控えめ
このため「ラインを絞って」「狙ったラインをトレースする」ような用途に非常に向いています。
ただし、現代の高回転な両手投げスタイルとウレタンの特性は相性が難しい面もあり、使い方を間違えると逆に崩壊する危険も。
🎳 両手投げがウレタンを使うときのコツ5選
① 回転数を抑える意識を持つ
ウレタンは高回転との相性が難しい素材です。回転数が高すぎると、立ち上がりすぎて失速・ノーヘッド・裏まで行くリスクが高くなります。
→ スピードを少し上げる or 回転軸をやや縦めに意識することで、転がりすぎを防ぎましょう。
② 投げるラインは「絞る」
ウレタンは「幅を取って戻す」ようなラインには向きません。
→ クロス気味、あるいはレーンの中〜外を真っ直ぐ通すような、1〜2枚幅のシビアなラインを引くことで、ボールの特性を最大限に活かせます。
③ 選ぶボールは“現代型ウレタン”を
ちゃんと78°規制を考慮したレイアウトを考えること
→ 両手投げで使うには、ある程度のRG・ΔRGを持った設計が必要。
④ オイルの「削り」を予測する
ウレタンはレーンのオイルを大きく削ります。特に両手投げでは高回転・強い軌道の影響で、投げるたびにレーン変化が早く進むという副作用も。
→ ウレタンを使うときは、数ゲーム後のライン変化まで読みながら投球するのが必須です。
⑤ 「使うべきタイミング」を明確にする
ウレタンが活きるのは:
- オイル量が少ない・短いショートパターン
- 朝イチのフレッシュレーン(特にスポーツコンディション)
- 曲がりすぎを避けたいとき
逆に「曲げてピン前で爆発させたい」場面ではウレタンは不向きです。使う・使わないの判断軸を明確に持ちましょう。
🧠 まとめ:ウレタンは“繊細な武器”
両手投げでウレタンを使いこなすには、
- ボール選び
- 回転コントロール
- ライン選択
- レーン変化の読み
といった要素を高次元でバランスさせる必要があります。
その代わり、状況がハマった時のウレタンは、リアクティブでは出せない精度と安定感を発揮します。特にスポーツパターンや荒れたレーンでは大きな武器になるので、ぜひ「攻め」の一手として使いこなしてみてください。